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子どもの矯正治療例

お子さんの矯正の場合、早期に適切な治療を開始することで成長発育を利用しながら症状を改善することができます。1期治療(乳歯と永久歯の混在期の治療)を行ったことで、非抜歯で治療が完了したり、2期治療(永久歯期の治療)が軽減された例をご紹介します。

上顎前突(出っ歯)

上顎の発育が大き過ぎたり、下顎の発育が小さ過ぎたりするために生じます。また、指しゃぶり等の癖や習慣が原因となる場合もあります。顎の発育を抑えたり、促進したりする治療方法が効果的なので、成長期などの早い時期に治療を開始することが良い結果につながります。

上顎前突症例1(非抜歯)

治療前(8歳女子)
治療後(12歳)

上顎の前歯と顎が強く前方に出ていましたが、早期に 上顎の発育抑制と歯列矯正を行ったことで、永久歯を抜かずに(非抜歯)並べることができました。

上顎前突症例2(抜歯)

治療前(11歳女子)
治療後(15歳)

上顎と前歯が強く前方に出ているため、口が閉じにくく、いつも口が開いている状態でした。成長期であるため上顎の発育抑制と永久歯を上下左右一本ずつ計4本抜歯して治療を行いました。治療の前後では、上の前歯だけでなく口元の変化も顕著です。

治療に用いた主な装置 症例1・2:マルチブラケット装置、ヘッドギア
抜歯部位 症例2:上下左右の第1小臼歯
矯正治療期間 症例1:【1期治療】1年6ヶ月【2期治療】2年6ヶ月
症例2:【1期治療】2年【2期治療】2年7ヶ月
※8歳以前は経過観察のみ(装置の入らない間は無料)

下顎前突(受け口・反対咬合)

上下の顎の噛み合わせが前後逆になっている状態で、受け口や反対咬合と呼ばれる症状です。下顎の発育が大き過ぎたり、上顎の発育が小さ過ぎたりすることが原因で生じます。発音が不明瞭で舌足らずの話し方になったり、顎の関節に障害が起きやすくなることがあります。成長期の早期に前歯の噛み合わせを治すことが必要です。大人になっても治すことはできますが、矯正治療で治せる場合と外科手術が必要になる場合があります。

下顎前突症例1(非抜歯)

治療前(8歳女子)
治療中(9歳)
治療後(12歳)

早期に前歯の逆の噛み合わせを治した結果、永久歯を抜かずに(非抜歯) 永久歯列が並びました。この症例は、噛み合わせの深い、骨格性の強い反対咬合だったので、治療期間が少し長くなりました。

下顎前突症例2(抜歯)

治療前(9歳女子)
治療後(13歳)

早期に前歯の逆の噛み合わせを治しましたが、噛み合わせ及び歯並びの関係上、永久歯を上顎のみ左右2本だけ抜歯して治療しました。早期に治療したので、外科手術をせずにこのように仕上がりました。治療前後の口元の変化に注目してください。

治療に用いた主な装置 症例1・2:マルチブラケット装置、チンキャップ
抜歯部位 症例2:上顎左右の第1小臼歯
矯正治療期間 症例1:【1期治療】1年【2期治療】2年
症例2:【1期治療】1年6ヶ月【2期治療】2年6ヶ月
※8歳以前は経過観察のみ(装置の入らない間は無料)

開咬(かいこう)

開咬とは、歯を噛みしめても一部の歯が噛み合わず、上下に隙間が空いてしまう症状です。食べ物を噛み切れなかったり、発音が不明瞭になるだけでなく、顎関節へ負担がかかり、下顎が正常に発育できなくなる原因となることもあります。開咬の治療は、開始年齢が早いほど治る確率は高く、治療後も安定しやすくなります。

開咬症例(非抜歯)

治療前(8歳男子)
矯正装置装着
治療中(9歳)
治療後(13歳)

指しゃぶりの影響で、上下の前歯の間に隙間が空いてしまっていました。指しゃぶりを止める指導と舌を出さなくする癖直しの習慣づけを行うのに時間がかかりました。前歯の矯正治療を行った後は、再度矯正装置を装着することなく、永久歯列が綺麗に並びました。

治療に用いた主な装置 マルチブラケット装置
矯正治療期間 【1期治療】2年【2期治療】3年6ヶ月
※8歳以前は経過観察のみ(装置の入らない間は無料)

叢生(デコボコ)

叢生(そうせい)とは、顎の大きさと歯の大きさのバランスがとれず、歯の生える場所が足りなくなり、歯が捻じれたり、重なり合って生えている状態です。歯磨きがしにくく汚れを落としにくいため、むし歯や歯肉炎の原因となることもあります。早期に治療を開始することにより、永久歯を抜歯せずに歯列を整えることができる場合もあります。

叢生症例(非抜歯)

治療前(8歳女子)
治療中(10歳)
治療後(12歳)

顎の大きさと歯の大きさの不調和(顎が小さい)により、並びきれずに デコボコ になっていました。 まずは前歯を治し、奥歯が生えるのを待って治療しました。早期の治療により、永久歯を抜かずに(非抜歯)並べることができました。

治療に用いた主な装置 マルチブラケット装置
矯正治療期間 【1期治療】1年5ヶ月【2期治療】2年
※8歳以前は経過観察のみ(装置の入らない間は無料)

埋伏歯

歯が歯茎の中(顎の骨の中)に潜ったまま、生えてこない状態を「埋伏歯」といいます。歯が生えるスペースがないことが原因になっていることが多く、そのまま永久歯が生えずに歯並びに影響します。

埋伏歯症例

治療前(8歳女子)
埋伏歯を牽引
治療後(9歳)

右上の前歯が2本潜っていて、生えていませんでした。口腔外科との協力のもとに、潜っている前歯をけん引して、歯列内に誘導しました。1期治療のみ1年半で前歯2本綺麗に並びました。

治療に用いた主な装置 マルチブラケット装置
矯正治療期間 【1期治療】1年6ヶ月
※8歳以前は経過観察のみ(装置の入らない間は無料)

小帯の付着異常

口の中にある紐状のヒダを「小帯」といい、付いている場所に異常があると、発音が悪くなったり、歯磨きがしにくく、むし歯になりやすかったり、歯並びに影響することもあります。適切な時期に切除する必要があります。

上唇小帯付着位置異常

切除前(7歳女子)
切除後

舌小帯付着位置異常

切除前(8歳女子)
切除後)
切除費用 口腔外科をご紹介しております。基本的には健康保険が適用されるようですが、当該医院にご確認ください。
デメリット・リスクについて 外科手術となるため、術後に口腔内を清潔にするなどのケアは必要になります。
矯正費用 ・1期治療 385,000円(税込)
・1期に続く2期治療 385,000円(税込)
・月ぎめ処置料 4,400円(税込)×治療月数
・保定装置 66,000円(税込)、
・保定観察料 2,200円(税込) (3ヶ月に1回)
・検査診断料 44,000円(税込)
・歯磨き指導料(初回のみ) 11,000円(税込)
※矯正治療は基本的に自費診療になります。
矯正治療に伴うデメリット・リスクに
ついて
  • ・装置を初めてつけたり、力を強くかけた時には、歯が浮くような感覚があったり、噛んだ時に痛みを感じる場合があります。
  • ・矯正治療中は歯磨きしにくい部分ができるため、むし歯や歯周病になるリスクが高くなるので、ブラッシングを念入りに行う必要があります。
  • ・歯を動かす際に歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。
  • ・歯並びや口腔周辺筋のバランスを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。
  • ・リテーナー(保定装置)を適切に使用しない場合、後戻りすることがあります。

※一般的なリスク・副作用については、こちらのページにも詳しく掲載していますので、ご覧ください。